元旦の朝に一年の無病息災を祈りさゆに入れて飲む、祝膳の初茶
梅の名所として知られる京都の北野天満宮では、正月の縁起物として人気のある「大福(おおふく)梅」の授与が、正月準備を始める12月13日の「事始め」より、12月25日の「終い天神」の頃まで社頭で授与される(無くなり次第終了)。
「大福梅」は、元日の朝に一年の無病息災を祈りさゆに入れて飲む、祝膳の初茶。平安時代の中期、村上天皇の御代から元旦の祝膳に使われていたと記録されているという。
裏白の葉とともに、6粒を奉書に包み、1袋700円で授与され、買い求める人々で賑わう。
招福の梅の枝「思いのまま」を元旦の0時より授与
「大福梅」は、境内にある約1500本の梅の木から、6月上旬から中旬頃に約1週間にわたって梅の実の採取。収穫量は例年約2.5~3トンで、採取した梅は、樽に塩漬けされ、7月中旬~8月下旬頃には、梅を樽から取り出し、カラカラになるまで約4週間天日で干される。
その後、再び塩をまぶして樽に収めて貯蔵し、11月下旬、樽から取り出された梅は、約6粒ずつ、手のひら程の大きさに切りそろえた縁起物の裏白を添え、奉書紙で包み「大福梅」となる。
また、北野天満宮では、境内の梅剪定時にでる梅枝「ずばい」に厄除け瓢箪をつけた、招福の梅の枝「思いのまま」を、元旦の0時より授与。
「ずばい」は生け花にもよく使用され、水を入れた一輪挿しにすれば、見事に美しい梅の花を咲かせる。瓢箪の中には梅花祭の祭典に用いられる厄除け玄米が入っており、ご飯と一緒に焚いて食し、一年の無病息災・厄除けを祈る。
北野天満宮 公式サイト
http://kitanotenmangu.or.jp/index.php