日本映画を席巻した角川映画を振り返る
東京国立近代美術館フィルムセンターでは、企画展「角川映画の40年」 が、7月26日から10月30日まで開催される。
「犬神家の一族」「人間の証明」「セーラー服と機関銃」「時をかける少女」など、日本社会に国民的なセンセーションをもたらした角川映画の足どりを、当時の華やかな宣伝資料などを通じて振り返る。
また、関連企画として、角川映画の主要作品(1976年~1988年)を一挙上映する「角川映画祭」(7月30日~9月2日/角川シネマ新宿ほか)も予定されている。
「読んでから見るか、見てから読むか」
映画は映画会社が作るものという常識に真っ向から挑み、出版社の角川書店を母体に創始され、瞬く間に日本映画の勢力地図を塗り替えた角川映画。
巨匠市川崑監督を迎えた「犬神家の一族」(1976年)で表舞台に登場。角川春樹社長のもと、「読んでから見るか、見てから読むか」というコピーと共に、映画と原作書、さらに主題歌も含めたメディアミックスの広報戦略で、「人間の証明」(1977年)、「復活の日」(1980年)などヒット作を連打。1980年代に入ると「セーラー服と機関銃」(1981年)、「時をかける少女」(1983年)などを発表しアイドル女優を輩出する。
1990年代中期からは新たに角川歴彦社長のもとで再生され、「失楽園」(1997年)、「リング」 (1998年)など数々の話題作を今も提供し続けている。
展覧会の構成は、「第1章 大旋風―角川映画の誕生」「第2章 “角川三人娘”登場-アイドル映画の時代」「第3章 アニメーションと超大作」、「第4章 再生、そして現代へ」。
また、野村正昭氏(映画評論家、元角川映画宣伝担当)や中川右介氏(評論家・編集者、「角川映画1976-1986」著者)によるトークイベント、崔洋一監督を招いての関連上映・トークイベントも予定されている。

東京国立近代美術館フィルムセンター 「角川映画の40年」
http://www.momat.go.jp/fc/exhibition/kadokawa/KADOKAWA 「角川シネマコレクション/角川映画祭」
http://cinemakadokawa.jp/kadokawaeigasai/index.html