「宇宙とは何か、我々は何者か」を芸術・文化的視点で紐解く
東京・六本木ヒルズの森美術館では、「宇宙と芸術展~かぐや姫、ダ・ヴィンチ、チームラボ」が、7月30日から2007年1月9日まで開催中。
古来、人間にとって永遠の関心事であり、また信仰と研究の対象として、世界各地の芸術の中で表現され、多くの物語を生み出してきた宇宙。
同展では、隕石や化石、ダ・ヴィンチやガリレオ・ガリレイ等の歴史的な天文学資料、曼荼羅や日本最古のSF小説ともいえる「竹取物語」、そして現代アーティストによるインスタレーションや、宇宙開発の最前線に至るまで、古今東西ジャンルを超えた多様な出展物約200点を一挙公開。
人類が問い続けてきた「宇宙とは何か、我々は何者か」という永遠の命題を、現代における芸術・文化的視点で紐解き、人類の未来を探る。
宇宙観の歴史から宇宙科学・宇宙開発の最前線までを展望
展示は4つのセクションで構成。“セクション1”「人は宇宙をどう見てきたか?」では、人間が宇宙をどのように見てきたかという歴史的な宇宙観の一端を、東西の神話・宗教美術作品や貴重な天文学資料等を通して紹介。
“セクション2”「宇宙という時空間」では、星さえも吸い込むブラックホール、今眺めている星の光が何億光年も彼方から放たれている事実、11次元あるといわれる宇宙空間の不思議、さらに私たちの時空認識を刷新した天体観測技術の驚くべき進歩等が、現代美術の作品等によって表現される。
“セクション3”「新しい生命観-宇宙人はいるのか?」では、隕石・化石等の人間史を超えた地球史を起点として、江戸時代のUFO伝説ともいわれる「うつろ舟の蛮女」から、人間が想像してきた宇宙人像、さらには最先端の遺伝子工学やA.I.技術等について言及する作品を紹介。
“セクション4”「宇宙旅行と人間の未来」では、宇宙旅行時代到来間近の今、これからの人間と宇宙の関係や、人間の生き方はどう変わっていくのかという問題について、アーティストのビジョンを紹介し、未来を描く。また、米ソの宇宙開発の歴史やJAXAの「きぼう」文化・人文社会科学利用パイロットミッション参加作品、「マーズ・アイス・ハウス」、HAKUTO等、宇宙開発の最前線を展示する。
期間中は、トークセッションやシンポジウム、ギャラリートークなども開催予定となっている。

森美術館 「宇宙と芸術展」
http://www.mori.art.museum/contents/universe_art/index.html