絵筆で明治の日本を切り開いた黒田清輝の実像に迫る
東京国立博物館では、特別展「生誕150年 黒田清輝-日本近代絵画の巨匠」が平成館で、3月23日から5月15日まで開催される。
「湖畔」で広く知られ、日本美術の近代化に尽力した黒田清輝の生誕150年を記念した大回顧展で、フランス留学の師ラファエル・コランやミレーなど、フランスで出会い導かれた作品をあわせて展示。
留学時代の「読書」「婦人像(厨房)」や帰国後の「舞妓」「智・感・情」などの代表作によって、日本美術の近代化に力を尽くし、絵筆で明治の日本を切り開いた黒田清輝の画業とその生涯を展観する。
初期から晩年までの代表作を一堂に展示
展示構成は、「第1章 フランスで画家になる」(画業修学の時代/1884~1893)、「第2章 日本洋画の模索」(白馬会の時代/1893~1907)、「第3章 日本洋画のアカデミズム形成」(文展・帝展の時代/1907~1924)。
「第1章」では、公募展覧会サロン・デザルティスト・フランセに1891年に初入選し、フランス画壇へのデビューを果たした記念すべき作品「読書」をはじめ、ヨーロッパの明るい光にあふれた、フランス画壇にデビューする渡欧期の作品を展示。
また、オルセー美術館からミレーの「羊飼いの少女」が特別出品され、師のコランや影響を受けたピュヴィス・ド・シャヴァンヌ、バスティアン・ルパージュ、そしてモネ、シスレーら同時期の印象派の作品までをあわせて展示。黒田が学んだ同時代のフランス絵画にも黒田清輝の作品のルーツをたどる。
「第2章」では、帰国直後の「舞妓」(重要文化財)、「湖畔」(重要文化財)、「智・感・情」(重要文化財)など、日本の主題やモティーフによって、日本の人々に受け入れられ、かつ国際的にも高く評価される油彩画を生み出そうと努め、日本の洋画壇に清風を吹き込むことになった作品の数々が展示される。

「特別展 生誕150年 黒田清輝-日本近代絵画の巨匠」 公式サイト
http://www.seiki150.jp/