700年もの伝統を持つ、京の人々に親しまれる民俗芸能
京都の壬生寺では、「壬生さんのカンデンデン」と大昔から京の人々に親しまれる、壬生狂言の春の公開が、大念仏堂(狂言堂)舞台にて、4月29日から5月5日までの7日間行われる。
昭和51年に京都府下では最初に国の重要無形民俗文化財に指定され、700年もの永い伝統を持つ民俗芸能で、正式名称は壬生大念仏狂言と呼ばれる。
期間中は、毎日5番上演(13:00~17:30頃)。初番の狂言は毎日「炮烙割」で、5月5日のみ昼の部と夜の部があり、夜は6番上演(18:00~22:00)される。
文化財の春期特別公開も同時開催
壬生狂言は、正安2年(1300年)円覚上人が、壬生寺において「大念佛会」で群衆を前にして最もわかりやすい方法で仏の教えを説こうとし、身ぶり手ぶりのパントマイムに仕組んだ持斎融通(じさいゆうづう)念佛を考えついたのが始まりと伝えられる。
近世に入ると庶民大衆の娯楽としても発展し、本来の宗教劇のみならず、 能 や物語などから色々と新しく取材され、曲目やその数も変遷して現在上演されるものは30曲。春・秋・節分の3回、年間延べ12日間、定例公開されている。
一般の能狂言とは異なり、かね・太鼓・笛の囃子に合わせ、すべての演者が仮面をつけ、一切「せりふ」を用いず無言で演じられる。
また、文化財の春期特別公開も同期間で実施され、壬生寺本堂の本尊・延命地蔵菩薩像(重文)や、文化財展観室の長谷川等伯筆 列仙図(重文)、壬生狂言古面、京都市指定名勝である庭園などを見ることができる。

壬生寺 公式サイト
http://www.mibudera.com/