銅版画家メッケネムを日本で初めて本格的に紹介
東京・上野公園の国立西洋美術館では、企画展「聖なるもの、俗なるもの メッケネムとドイツ初期銅版画」が、7月9日から9月19日まで開催される。
デューラーらと並ぶ版画の創始者と讃えられた銅版画家イスラエル・ファン・メッケネム(1445年頃~1503年)を日本で初めて本格的に紹介する展覧会で、ミュンヘン州立版画素描館や大英博物館などが所蔵する版画、油彩、工芸品など100点あまで、日本ではほとんどその名を知られていない版画家の全貌に迫る。
メッケネムの版画制作とその時代を多角的に検証
メッケネムは、銅版画黎明期の15世紀後半から16世紀初頭にかけてドイツ・ライン河下流域で活躍し、作品の多くはキリスト教主題をもち、「聖」なるものと、当時の人々の「俗」な生活風景という対照的な主題を用いた銅版画を数多く残した、ユニークな銅版画家。
当時人気のショーンガウアーやデューラーら他の作家の作品を大量にコピーする一方、新しい試みもいち早く取り入れ、作品の売り出しにも戦略を駆使するなど、その旺盛な活動から生まれた作品は今日知られるだけでも500-600点あまりにのぼるという。
同展では、メッケネムの版画制作をたどるとともに、初期銅版画の発展と受容や工芸との関わり、コピーとオリジナルの問題、作品に映された当時の社会の様相などにも目を向け、メッケネムの版画制作とその時代を多角的に検証する。

東京新聞 「聖なるもの、俗なるもの メッケネムとドイツ初期銅版画」
http://www.tokyo-np.co.jp/event/meckenem/国立西洋美術館 「聖なるもの、俗なるもの メッケネムとドイツ初期銅版画」
http://www.nmwa.go.jp/jp/exhibitions/2016meckenem.html