命がけで守られた秘宝
九州国立博物館では、同館開館10周年記念特別展「黄金のアフガニスタン-守りぬかれたシルクロードの秘宝-」が、2016年1月1日から2月14日まで開催される。
同展で紹介されるアフガニスタン国立博物館で所蔵されていた名宝は、1979年のソ連侵攻とそれに続く内戦などにより、多くは永遠に失われてしまったと考えられてきたが、自らの文化が生き続け、アフガニスタンが生きながらえることを願う勇気ある館員たちにより、秘密裏に運び出され、守りぬかれた。
同展は、東京国立博物館に巡回。2016年4月12日から6月19日まで開催予定となっている。
古代アフガニスタンで栄えた文化を、4つの遺跡から出土した名宝によって紹介
「黄金のアフガニスタン」は、紀元前2200年頃から紀元後2世紀頃にかけて古代のアフガニスタン各地で栄えた文化を、4つの遺跡から出土した名宝によって紹介。
展示構成は、「第1章テペ・フロール」「第2章アイ・ハヌム」「第3章ティリヤ・テペ」「第4章ベグラム」「第5章(特別出展)アフガニスタン流出文化財」。
なかでも、アフガニスタン北部のティリヤ・テペから出土したきらびやかな黄金製品の数々は日本初公開で、その輝きは多くの人々を魅了する。
また、第5章の特別出展では、アフガニスタン国内の混乱により、不法に国外に持ち出された「流出文化財」を「文化財難民」と位置づけ、平山郁夫氏が「流出文化財保護日本委員会」を設立し、再びアフガニスタンに平和と安定が取り戻されるまでわが国で保護することを提唱。
今回の展覧会を契機に、同委員会が保全管理したものをアフガニスタンへ無事に返還されることになった102件の文化財のうち、15件が特別に紹介される。

「黄金のアフガニスタン」
・九州展
http://goldenstory.jp/・東京展
http://www.gold-afghan.jp/