日本文化の粋、国宝約120件が結集
東京国立博物館・平成館(上野公園)では、「日本国宝展」が、10月15日から12月7日の期間で開催される。
“祈り、信じる力”をテーマに、国宝の中で人々の篤い信仰心が結実した文化的遺産を集め、日本文化形成の精神を見つめ直すことを試みた壮大な展覧会。仏と神と、人の心をつなぐ役割を担ってきた絵画・彫刻・工芸・典籍・考古資料など、国宝約120件を展示し、日本文化の粋の結集を見ることができるという。
正倉院の宝物11件も期間限定で特別展示
展示構成は、「第1章 仏を信じる」「第2章 神を信じる」「第3章 文学・記録に見る信仰」「第4章 多様化する信仰と美」「第5章 仏のすがた」。
「第1章 仏を信じる」では、「阿弥陀聖衆来迎図(あみだしょうじゅらいごうず)」(展示期間:11月11日~12月7日)、「法華経方便品(ほけきょうほうべんほん)(竹生島経)」(展示期間:11月11日~12月7日)、「普賢菩薩像(ふげんぼさつぞう)」(展示期間:10月15日~11月9日)、「仏涅槃図(ぶつねはんず)」(展示期間:10月15日~11月9日)など、飛鳥から平安時代の間に濃密な展開を遂げた仏教信仰の所産である絵画・彫刻・工芸・書跡典籍を紹介。
「第2章 神を信じる」では、国宝の土偶5体が勢ぞろいするほか、「白糸威鎧(しろいとおどしのよろい)」(展示期間:11月11日~12月7日)など、土偶や銅鐸に代表される祭祀遺物、「神」への信仰の証として奉納された甲冑や刀剣、そして神像彫刻を紹介。
「第3章 文学・記録に見る信仰」では、「寝覚物語絵巻(ねざめものがたりえまき)」(展示期間:10月15日~11月9日)など、物語絵巻や日記、和歌集、信仰のありようを記録した史書や寺院の文書などを紹介。また、日本の古代史上最も著名な五文字「漢委奴国王(かんのわのなのこくおう)」が印面に刻まれた「金印」(展示期間:11月18日~11月30日)も展示される。
「第4章 多様化する信仰と美」では、「松に秋草図(あきくさず)」(10月15日~11月9日)、「黄色地鳳凰瑞雲霞文様紅型紋紗衣装(きいろじほうおうずいうんかすみもんようびんがたもんしゃいしょう)」(展示期間:11月11日~12月7日)など、中世から近世期において、多岐多様な展開を遂げた信仰と、その所産を紹介。
「第5章 仏のすがた」では、「勢至菩薩坐像(せいしぼさつざぞう)」「観音菩薩坐像(かんのんぼさつざぞう)」「元興寺極楽坊五重小塔(がんごうじごくらくぼうごじゅうのしょうとう)」「善財童子立像(ぜんざいどうじりゅうぞう)」「多聞天立像(たもんてんりゅうぞう)」(展示期間:11月11日~12月7日)など、いずれも卓越した造形美と歴史的意義をもつ仏像などが紹介される。
また、今回の「日本国宝展」では、正倉院に収蔵される数々の宝物の中から、著名な宝物「鳥毛立女屏風(とりげりつじょのびょうぶ)」や「楓蘇芳染螺鈿槽琵琶(かえですおうぞめらでんのそうのびわ)」など11件が期間限定(10月15日~11月3日)で特別出品予定となっている。

「日本国宝展」 公式サイト
http://kokuhou2014.jp/index.html