870有余年に亘り途切れることなく今日に至る祭り
春日大社の摂社である若宮神社(奈良市春日野町)では、「春日若宮おん祭」が、12月15日から12月18日まで開催される。
870有余年に亘り途切れることなく、五穀豊穣、万民安楽を祈り大和一国を挙げて盛大に執り行われ今日に至る祭りで、7月から行事が始まり、中心となる神事は12月15日~18日に行われる。
伝統行列や生きている芸能の歴史を目のあたりにすることができる
見どころは、主要神事として12月17日に行われる「お渡り式」(12:00~)と「お旅所祭」(14:30~)。
「お渡り式」では、古式を伝える伝統の行列が、登大路を西に下り、近鉄奈良駅より油阪を経て、JR奈良駅前からまっすぐ東へ三条通りを登り、一の鳥居を入ってすぐ南側の「影向の松(ようごうのまつ)」の前で「松の下式(まつのしたしき)」を行ってお旅所へ練り込む。
先行の行列は明治以降加わったもので、中心は平安時代から江戸時代に至る風俗を満載した伝統行列の部分。創始の際には「楽人・日使・巫女・伝供御供・一物・細男・猿楽・競馬・流鏑馬・田楽」とその骨格を整えており、旧儀が長く守られながら、時代の流れに応じた姿を見せる。
「お旅所祭」は、最後の大名行列のかけ声が、まだ参道にこだましているなかを神職が参進し、左・右の太鼓が打ち鳴らされ、奏楽のうちに神様にお供え(神饌)が捧げられる。続いて宮司がご幣を捧げ、祝詞の奏上後、各種団体の代表などの拝礼が行われる。
このあと15:30頃から神楽が舞われ、田楽・細男(せいのお)・猿楽(能楽)・舞楽など、22:30頃まで各種神事芸能が奉納され、生きている芸能の歴史を目のあたりにすることができる。

春日大社 「春日若宮おん祭」
http://www.kasugataisha.or.jp/onmatsuri/