燃え盛る大松明が山門前でひしめき合う
京都3大奇祭のひとつ、「鞍馬の火祭」が、京都市左京区・由岐神社で、10月22日に開催される。
平安末期、祭神を京都御所から鞍馬の里に迎えた時のもようを現在に伝えているといわれる祭りで、 燃え盛る大松明を担いで「サイレイ、サイリョウ」のかけ声とともに町内を練り、山門前に集合してひしめき合うようすは壮観で、多くの人出で賑わう。
火の粉の中を2基の御輿が渡御
祭りは、18:00、「神事にまいらっしゃれ」の神事触れの合図で鞍馬の各戸に積み重ねられた篝(えじ)が一斉に点火され、幼少年が小松明を担いで練り歩き、次第に燃え盛る大松明を担いだ青年たちがこれに加わり、「サイレイ、サイリョウ」を繰り返し街道を練り歩く。
その後、鞍馬寺の山門前に大小の松明を担いだ若者が集合し、合図の太鼓と共に青葉の精進竹に張った注連縄切りの儀が行われ、大松明は石段に殺到しやがて1箇所に焼き捨てられる。
御輿の前で神幸の儀が行われ、八所大明神・由岐大明神の順で御輿が参道を下る。その際各御輿の後に鎧武者が乗り、御輿の背後に綱がつけられ、坂や石段から急に降りないように町の乙女たちが綱を引く。
この綱を引くと安産になると昔から伝えられているので特に若い女性が多く、女性が参加することもこの祭りの異色のひとつ。また、山門の石段では2人の青年が御輿の先の担い棒の前で逆さ大の字になって下る「チョッペンの儀」が行われる。
山門を下ったところから御輿は車に乗せられ鞍馬町を巡幸し、御旅所に安置され、お神楽が奉納され、4本の大きな神楽松明が境内をまわり諸式が終了する。
翌日23日午前2基の御輿が、御旅所から本殿へ御帰りになる還幸祭が執り行われ、「鞍馬の火祭」が終了する。

由岐神社 公式サイト
http://www.yukijinjya.jp/