新発想のユニークな蕎麦を次々と提供している東京中央区日本橋の蕎麦屋「よもだそば」)は、NHKのスペシャルドラマの原作となった司馬遼太郎の著書である「坂の上の雲」にちなんだ、『坂の上の雲~もぶり蕎麦~』を11月8日(月)から年末まで限定販売する。
『坂の上の雲~もぶり蕎麦~』
『もぶり蕎麦』の「もぶり(る)」とは、混ぜるという意味の愛媛県松山地方の方言。“もぶり飯”は「坂の上の雲」にも登場する松山地方の代表的郷土鮓(すし)料理であり、瀬戸内海の魚をふんだんに使った“ちらし寿司”は、祝い事やおもてなしの際に出される料理だ。「坂の上の雲」の劇中に登場する正岡子規も好み、夏目漱石が初めて正岡子規の家を訪れた時にも、この寿司でもてなされたという。『もぶり蕎麦』はかけそばの上に穴子、酢でしめた海老、コハダなどの魚介類と蓮根、甘辛く炊いた筍、人参、アゲと錦糸卵などの“もぶり飯”の具材を乗せて作った「よもだそば」のオリジナル蕎麦、見た目にも鮮やかな逸品だ。
「よもだそば」
よもだとは、愛媛県松山地方の方言(伊予弁)で、「いいかげん」「ふざけている」「ぬけている」「だらしない」「悪ふざけ」というような意味。又、親しみを込めて「しょうがないねぇ」「なんだか憎めない」という、苦笑いのユーモアを交えて愛されている言葉でもあり標準語では表せないニュアンスだ。「よもだそば」という店名どおり、遊び心とゆとり、温もりの中で、普通のそばの概念にとらわれず、新しい発想と遊び心満載のメニューをご提供している。
新潟の「へぎそば」を使用
つなぎに小麦粉ではなく、布海苔(ふのり)を使った「へぎそば」を食べさせてくれる。色も通常のそばと違い、若干緑色をしており、これは、海藻を「つなぎ」に使用しているためだ。発祥は新潟県で越後名物として有名、そばを盛る器を「へぎ」といったところから『へぎそば』と呼ばれるようになった。独特なコシ・歯ざわり・ツルっとしたのどごしは「へぎそば」ならではだ。

松山の“もぶり飯”というのは残念ながら食したことがなかった。多分家庭料理なのだろう。地方の伝統的な家庭の味が東京のど真ん中に進出してくるとは面白い。